Telescope Array Experimentテレスコープアレイ実験
テレスコープレイ実験は、2003年に極高エネルギー宇宙線の起源に迫る日米韓露の国際共同観測プロジェクトとして宇宙線望遠鏡実験の建設を米国ユタ州で開始し、2008年より定常運転を開始しました。
この実験では、大気に入射した宇宙線が相互作用を起こし大量に2次粒子を生成する空気シャワー事象を観測しています。観測手法は1.2km間隔に507台の地表検出器アレイを設置し、約 700km2の面積で空気シャワーの地表における横広がりを測定、同時にその周囲の3つのステーションに設置された合計38台の大気蛍光望遠鏡によって空気シャワー粒子の増減を撮像する方法を用いています。
テレスコープアレイ実験の大気蛍光望遠鏡による撮像結果
光の速度で通過する空気シャワーからの微弱な大気での蛍光発光を捉え、空気シャワーの縦方向発達を測定しています。
TA×4計画
2015年から500台の地表検出器を新規製作し、現在のTAより広い2.1km間隔で設置して、南半球で稼働中のピエールオージェ観測所と同じ3000km2の有効検出面積となる4倍拡張を目指す『TA×4』の計画が進んでいます。
これにより活動銀河核など宇宙の極限状態の天体現象と宇宙線の到来方向の相関探索、エネルギースペクトルの詳細測定、質量組成の同定、超高エネルギー光子・ニュートリノ探索を行い、極高エネルギー宇宙線の発生・加速・伝播機構を探求し宇宙極限事象を解明する実験が続いています。